MGとは -IgG自己抗体とFcRn-

IgG自己抗体によってMGの症状がおこります。

IgGは、免疫グロブリンのひとつで、体内に入ってきた病原体などからからだを守るためにはたらく抗体です。
MG患者さんでは、自分のからだを攻撃する「IgG自己抗体」が作られ、「脳からの指令を伝える神経」と「筋肉」のつなぎ目(神経筋接合部:NMJ)の信号が伝わりにくくなります。

IgGとIgG自己抗体の違いは?

IgGは病原体などから、からだを守るはたらきをする抗体です。一方、IgG自己抗体は、自分の体内成分に対してはたらく抗体で、通常は存在しませんが、MG患者さんの体内では作られています。なぜIgG自己抗体がMG患者さんの体内で作られるかはよくわかっていません。

IgGとIgG自己抗体の違いは? IgGとIgG自己抗体の違いは? IgGとIgG自己抗体の違いは?

NMJにおけるIgG自己抗体のはたらき

通常の神経筋接合部のはたらき

NMJでは、アセチルコリン(ACh)という物質が神経側から放出され、それが筋肉側のアセチルコリン受容体(AChR)に結合することで、信号が伝わります。

MGでは、IgG自己抗体が神経筋接合部のはたらきを阻害

MGでは、IgG自己抗体によってAChのAChRへの結合が阻害され、脳から筋肉への信号が伝わりにくくなります。
そのため、筋力低下や疲れやすさといったMGのさまざまな症状があらわれることになります。

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胎児性Fc受容体(FcRn)のはたらき

FcRnが、IgG自己抗体を含むIgGをリサイクリング(再利用)し、その血中濃度を保ちます

通常、FcRnはIgGをリサイクリングし、IgGの血中濃度を保っています

 lgGがFcRnと結合する
 FcRnと結合したlgGはリソソームでの分解をまぬがれる
 lgGがリサイクル(再利用)される

MG患者さんではからだの中でIgG自己抗体がつくられているため、
FcRnはIgG自己抗体を含むIgGをリサイクリングし、その血中濃度を保っています

 IgG自己抗体を含むIgGがFcRnと結合する
 FcRnと結合したIgG自己抗体を含むIgGはリソソームでの分解をまぬがれる
 IgG自己抗体を含むIgGがリサイクル(再利用)される

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JP-VDJMG-24-00087(2024年3月作成)