アセチルコリン(ACh)
AChは、脳から筋肉を含む身体のさまざまな部分にメッセージを伝える神経伝達物質です。
アセチルコリン(ACh)
AChは、脳から筋肉を含む身体のさまざまな部分にメッセージを伝える神経伝達物質です。
アセチルコリン受容体(AChR)
AChRは、筋肉に発現する受容体の一種です。神経から筋肉へのメッセージを受け取ります。
免疫グロブリンG(IgG)
IgG抗体は、免疫系によって作られるY字型のタンパク質です。IgGなどの抗体は、感染症や病気から身体を守る上で重要な役割を果たします。
病原性があるIgG自己抗体(IgG)
MGの原因となるIgG自己抗体です。神経から筋肉へのメッセージ伝達を妨害します。
胎児性Fc受容体(FcRn)
FcRnはIgG抗体と結合し、IgGが長く血中に留まる役割を持つ受容体です。
(イラストの緑色は結合するIgG抗体で、黄色の部分がFcRnです)
ウィフガート
(抗FcRn抗体フラグメント製剤)
ウィフガートは、FcRnの親和性を高めるように設計されたヒトIgGのFcフラグメント製剤です。IgG自己抗体を含むIgGと競合的にFcRnと結合します。
(イラストの水色部分は結合するウィフガートで、黄色の部分がFcRnです)
gMG患者さん
MGは病原性のあるIgG自己抗体によって神経から筋肉へのメッセージ伝達が阻害されて生じる自己免疫疾患です。その結果、筋力低下が起こり、gMG患者さんはさまざまなMG症状に悩まされることになります。
MG患者さんではFcRnはIgG自己抗体を含むIgGをリサイクリングし、
その血中濃度を保っています
❶ IgG自己抗体を含むIgGがFcRnと結合する
❷ FcRnと結合したIgG自己抗体を含むIgGはリソソームでの分解をまぬがれる
❸ IgG自己抗体を含むIgGがリサイクル(再利用)される
ウィフガートは、IgG自己抗体を含むIgGがFcRnに結合するのを防ぎ、分解を促進し、
その血中濃度を下げます
❶ FcRnにウィフガートが結合=lgG自己抗体を含むIgGが結合できなくなる
❷ FcRnと結合できなかったlgG自己抗体を含むIgGはリソソームで分解される
❸ リサイクル(再利用)されるlgG自己抗体を含むIgGが減る
ウィフガートによってIgGの血中濃度も下がるため、感染症への注意が必要です。
詳しくは「気を付けること」のページをご参照ください。
Howard JF Jr, et al. Lancet Neurol. 2021;20(7):526-536.
Ward ES, Ober RJ. Trends Pharmacol Sci. 2018;39(10):892-904.
ウィフガートは、ヒトのIgGのFc部分に似た形で、IgGよりもFcRnに結合しやすくデザインされています。
ウィフガートは、世界で初めてFcRnをターゲットとした、新しい全身型MGの治療アプローチです。
ウィフガートは、ヒトのIgGのFc領域によく似た形で、IgGやIgG自己抗体よりもFcRnと結合しやすいようにデザインされています。そのためウィフガートを投与すると、IgG自己抗体を含むIgGはFcRnと結合できなくなります。ウィフガートはIgG以外の免疫グロブリンやアルブミンの濃度には影響しません。
Fab領域…抗原と結合する部分です
Fc領域…Fc受容体や補体との結合にかかわる部分です
アルジェニクスジャパン社内資料
Peter HH, et al.: J Allergy Clin Immunol. 2020;146(3):479-491.
FcRnコラム①
胎児性Fc受容体(FcRn)は、その名称に胎児性(neonatal)という言葉が付いていますが、これはFcRnがげっ歯類新生児で発見されたことに由来します。
FcRnは生涯にわたってわたしたちのからだのなかに存在し、主に内皮細胞及び骨髄系細胞に発現しています。
FcRnコラム②
IgGには、IgG1からIgG4までの4つのサブタイプがあります。
IgG自己抗体として、アセチルコリン受容体(AChR)抗体と筋特異的受容体チロシンキナーゼ(MuSK)抗体がよく知られていますが、AChR抗体はIgG1または3、MuSK抗体はIgG4が主体です。
FcRnは、IgGとIgG自己抗体を区別することなく、どのサブタイプとも結合します。
臨床試験において、ウィフガートは、すべてのIgGサブタイプの血中濃度を下げることが報告されています。
Ulrichts P, et al.: J Clin Invest. 2018; 128(10): 4372–4386.
JP-VJMG-23-00025(2024年1月作成)