ウィフガートの作用メカニズム

ウィフガートの作用メカニズム(イメージ図)

ITP患者さんではFcRnはIgG自己抗体を含むIgGをリサイクリングし、その血中濃度を保っています

 IgG自己抗体を含むIgGがFcRnと結合する
 FcRnと結合したIgG自己抗体を含むIgGはリソソームでの分解をまぬがれる
 IgG自己抗体を含むIgGがリサイクル(再利用)される

ウィフガートは、IgG自己抗体を含むIgGがFcRnに結合するのを防ぎ、分解を促進し、 その血中濃度を下げます

 FcRnにウィフガートが結合=IgG自己抗体を含むIgGが結合できなくなる
 FcRnと結合できなかったIgG自己抗体を含むIgGはリソソームで分解される
 リサイクル(再利用)されるIgG自己抗体を含むIgGが減る

ウィフガートによってIgGの血中濃度も下がるため、感染症への注意が必要です。
詳しくは「気を付けること」のページをご参照ください。

Ward ES, Ober RJ. Trends Pharmacol Sci. 2018;39(10):892-904.

ウィフガートの特徴

ウィフガートは、ヒトのIgGのFc部分に似た形で、IgGよりもFcRnに結合しやすくデザインされています。

ウィフガートは、世界で初めてFcRnをターゲットとした、新しいITP治療薬です。
ウィフガートは、ヒトのIgGのFc領域によく似た形で、IgGやIgG自己抗体よりもFcRnと結合しやすいようにデザインされています。そのためウィフガートを投与すると、IgG自己抗体を含むIgGはFcRnと結合できなくなります。ウィフガートはIgG以外の免疫グロブリンやアルブミンの濃度には影響しません。

Fab領域…抗原と結合する部分です
Fc領域…Fc受容体や補体との結合にかかわる部分です

アルジェニクスジャパン社内資料
Peter HH, et al.: J Allergy Clin Immunol. 2020;146(3):479-491.

FcRnコラム

~胎児性Fc受容体(FcRn)の名前の由来~

胎児性Fc受容体(FcRn)は、その名称に胎児性(neonatal)という言葉が付いていますが、これはFcRnがげっ歯類新生児で発見されたことに由来します。
FcRnは生涯にわたってわたしたちのからだのなかに存在し、主に内皮細胞及び骨髄系細胞に発現しています。

Ulrichts P, et al.: J Clin Invest. 2018; 128(10): 4372–4386.

JP-VJITP-24-00014(2024年3月作成)